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「コンディション」という言葉

17. March 2014

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最近、「コンディション」という言葉の使い方が気になっている。日本語だとコンディションは「整える」ものであって「鍛える」とは言わない。でも、こっち でコンディション・トレーニングというと、かなり負荷の高い「鍛える」と言われるようなものも含まれる。この辺がポイントになりそうだな。

 

もしかすると、昔の翻訳がカタカナ和製英語になって、日本語(それを話す文化圏の)のバイアスがかかって、いろいろ用法に誤差が出ているのかもしれない。

 

とりあえず、「コンディション」と言う言葉に関して言えば、やっぱり「一試合で90分走りきれる状態に持っていく」、「一シーズン怪我なく、フルパフォー マンスを発揮できる状態に持っていく、ないしその状態を極力維持できるようにする」というニュアンスが一番合っている気がする。

 

だから、やっぱりコンディションは「調整」するものだと思う。そう考えると、「〇〇の能力を鍛える」という考え方、特に身体面では、この「鍛える」と言う 言葉は、もしかすると弊害の方が多いかもしれない。というのも、「鍛える」という言葉には、どこか上限がないような印象があるからだ。

 

「調整」だと、そのときに必要な負荷を過不足なくやるような感じで、どんなに 負荷の高いトレーニングでも、常にオーバーロードを避けられるような印象がある。そう考えると、やっぱり、フィジオとか専門的なコーチがいるのは大きい な。モウリーニョはたぶん、その辺の知識を自分で持っているんだろうな。

とりあえず、「フィジカルを鍛える」というような言葉が減って、「90分動ける状態(コンディション)に持っていく」、「シーズン通して怪我なく、フルパ フォーマンスを発揮できる身体の状態(コンディション)にする」というような言葉が使われるようになる環境になると良いなあ。

そう考えると、「コンディション」って、文字通り「状況、状態」のことなんだな。コンディション・トレーニングって、「必要なとき(試合)にベストな状態に仕上げる」トレーニングって考えると、すっきりするな。